犬の皮膚組織球種の悪性と良性の違いは?老犬に多い理由も紹介

突然あなたの愛犬の皮膚に「ポコッ」とにきびのようなものができたことはないですか?

犬を飼っていると皮膚のトラブルに悩まされることは多いと思いますが、突然昨日まで無かったできものが現れると不安になってしまいますよね。

実際に私も犬を飼っているのですが、いきなりぼこっとにきびのようなものができた経験があります。しかも、少しずつ大きくなっていくので、「もしかしてこれは犬の皮膚がん?」とかなり心配した経験も。。

ただ、このようなケースでは【皮膚組織球種】と診断されることがほとんどですが、色々な皮膚の病気の症状に似ているため、飼い主の判断で放置してしまうと取り返しがつかなくなることもあります。

そこでこのページでは、犬の皮膚組織球種が良性なのか悪性(癌など)なのかの見極め方や皮膚組織球種が老犬に多い理由なども詳しく解説していきます。

犬の皮膚組織球種とは?

皮膚組織球種は、犬の皮膚に発生する【腫瘍(しゅよう)】です。

基本的に皮膚の表面に発生したり、目で見える箇所に症状として現れるので、比較的気づきやすい腫瘍といえます。腫瘍と聞くと「癌」などの悪性腫瘍を想像するかもしれませんが、皮膚組織球種は基本的には良性の腫瘍です。

癌など他の腫瘍とは違って、周りの組織や細胞、臓器に広がったり、転移することはありません。見た目とは違って、犬の皮膚組織球種はそこまで恐れるような病気ではないので安心してください。

ただし、自己判断するのではなく、しっかり獣医師に診断してもらって皮膚組織球種という確定診断をもらってから安心してくださいね!自己判断だけだと、後々になって「実は癌だった。。。」なんてことも可能性としてはあり得ます。

皮膚組織球種の特徴

犬の皮膚組織球種には、以下のような特徴があります。

  • 皮膚の表面に赤色またはピンク色の丸いドーム状のしこりができる
  • 3歳以下の犬に多発する
  • 頭・顔・手足で発生するケースが大半

このような特徴に当てはまる場合は、皮膚組織球種の可能性が高いです。

念のため他の病気じゃないかを確認する意味でも、獣医師に確定診断をしてもらっておきましょう。

犬の皮膚組織球種は良性の腫瘍

踊るイヌ

先述した通り、犬の皮膚組織球種は良性の腫瘍の一種です。

しかし、犬の皮膚組織球種は前日までは何ともなかったのに、いきなりぷくっと目立つ感じで赤またはピンクのできものができます。そのため、「何か急性の悪性腫瘍なのかも。。」と心配する飼い主も少なくありません。

ただ、その過剰な心配は犬を飼う上では非常に大切なことです。

心配するからこそすぐに病院に行きますし、常日頃から愛犬を観察することができます。「まあ大丈夫だろう」よりは「もしかしたら病気かも」と思っておくほうが、愛犬の病気の早期発見という観点ではいいです。

皮膚組織球種においても、特徴にあてはまるからといって飼い主判断するよりは、確実に獣医師に診断してもらうほうが心から安心できます。

皮膚組織球種は悪性の場合もあるの?

犬の皮膚組織球種は、良性の腫瘍なので悪性の場合はありません。

しかし、犬の病気の中には皮膚組織球種と似た症状で、悪性の腫瘍の場合もあります。このようなケースを避けるために、皮膚組織球種のような症状でもしっかりと獣医師に診察してもらうべきなのです。

悪性の腫瘍の場合は、いかに早期に治療を開始できるかが鍵となります。

犬の皮膚組織球種の原因と予防方法

結論をいうと、犬の皮膚組織球種の原因は分かっていません。

どのように皮膚組織球種が発生するかが現状の動物医学では分かっていないので、確実な予防方法も現状は無いです。

医学的な予防方法はありませんが、以下の方法であれば犬の皮膚組織球種の早期発見に繋がります。

犬の皮膚組織球種の予防法

・定期的に健康診断を受ける
・毎日の皮膚をよく観察する

犬の皮膚組織球種の予防方法は、ずばり早期発見です。いかに早期発見するかが悪化を防ぐポイントなので、定期的な健康診断や毎日の皮膚チェックは欠かさずやっておきましょう。

犬が皮膚組織球種になったら?

まず、犬の皮膚組織球種の診断は、獣医師にしてもらってください。

犬の皮膚に明らかなできもの(ニキビのようなもの)ができたタイミングで病院に行くと、獣医師が診察を行います。

基本的に診察は以下のような手順で行われます。

犬の皮膚組織球種の診察方法

①針でできものに少し刺す
②皮膚から細胞を採取する
③顕微鏡で検査する(細胞診)
※場合によっては組織を切り取って病理検査

このような手順で、犬の皮膚組織球種の確定診断をします。

その後の治療ですが、基本的には治療は行わずに犬の自然治癒に任せることがほとんどです。およそ1ヵ月ほどで縮小し、気付いたら消滅していきます。

ただ、非常に稀ですが、犬が皮膚組織球種ができたところを気にしすぎて日常生活に支障が出る場合は、外科手術が選択されることもあります。

皮膚組織球種は老犬に多いって本当?

考える老犬

犬の皮膚組織球種は老犬に多いと噂がありますが、実は老犬よりも若い犬の方が圧倒的に多いです。

特に3歳までの若い犬に多く発生し、50%は2歳までに多発するのが皮膚組織球種の特徴と言われています。むしろ、老犬に皮膚組織球種のような症状が出た場合は注意が必要です。

なぜならば、皮膚組織球種は老犬にはあまり出ない症状なので、皮膚組織球種ではなく「悪性腫瘍」の可能性があるからです。

もちろん老犬でも皮膚組織球種の可能性はありますが、悪性腫瘍の可能性も高いので、すぐに動物病院に行って獣医師の診断を受けるようにしてください。

犬の皮膚を観察してなるべく早く異変を察知しよう!

犬の皮膚組織球種は良性の腫瘍なので、そこまで心配することがないことが分かりましたね!

基本的には自然治癒で1~2ヵ月で縮小し、完全に消失していきます。しかし、自己判断で皮膚組織球種と判断すると、実は悪性腫瘍だったなんてことも。。

もしも皮膚組織球種のような症状が出たら、必ず獣医師に診断してもらうのが最善の対応です。また、予防の意味もこめて毎日愛犬の皮膚チェックはかかさずに行ってくださいね!

これからも愛犬との楽しい日々を過ごせるように、当サイトを通じて情報を発信していくので、引き続きチェックをお願いします!

おすすめの記事