【初心者向け】プレミアムドッグフードと普通のフードの違いを解説

初めてのドッグフード選びで「プレミアム」と書かれた商品を目にして、こう思ったことはありませんか?

「普通のフードと何が違うの?」

「高いだけで中身は同じじゃないの?」

ペットショップやネット通販を見ると、価格も見た目もバラバラ。

しかも“ヒューマングレード”や“グレインフリー”など、聞き慣れない言葉が並んでいて、正直どれを選べばいいか分からない…。

そんな戸惑いを感じる飼い主さんは、実はとても多いのです。

このページでは、プレミアムドッグフードと一般的なドッグフードの違いを初心者向けにわかりやすく解説。

愛犬にとって何が本当に必要なのか、そして飼い主として何を重視すべきなのか、その“判断軸”が見える内容になっています。

これからフード選びを始めるあなたにとって、迷いの霧を晴らす一歩となりますように。

プレミアムドッグフードとは?

「プレミアムドッグフード」と聞くと、なんとなく“高級そう”なイメージを持つかもしれません。

しかし実際には、値段だけで判断するのは危険です。

プレミアムと呼ばれるフードには、原材料の質・製造管理の基準・栄養設計など、いくつもの特徴があります。

明確な定義はないが、“質”にこだわっているのが特徴

実は、「プレミアムドッグフード」という言葉には、法律上の明確な定義は存在しません。

つまり、どんなフードでもメーカーが“プレミアム”と名乗ることは可能です。

だからこそ、本当に中身が伴っているかどうかを見極める視点が重要になります。

一般的に「プレミアム」とされるドッグフードには、次のような特徴があります:

  • ヒューマングレード(人間も食べられるレベルの原材料を使用)

  • 無添加・保存料不使用

  • 動物性タンパク源が第一主原料(チキン、サーモンなど)

  • 栄養バランスが目的別に最適化されている(アレルギー対策・腸内環境改善など)

  • 製造過程の安全性が高く、トレーサビリティも明確

価格が高めに設定されているのは事実ですが、それにはきちんと理由があります。

決して“ブランド料”だけでなく、原価が高いからこそ高品質というケースが多いのです。

スーパーや量販店で売られている「普通のフード」との違い

一方、一般的な市販ドッグフードは、コストを抑えるために「肉副産物(ミートミール)」や「穀類のかさ増し」「合成保存料・香料」などが使われがちです。

もちろん、すべての安価なフードが悪いわけではありません。

しかし、愛犬の健康や体質に敏感な飼い主ほど、フードの“質”に注目する傾向があります。

プレミアムフードとは、単なる贅沢品ではなく、「病気を未然に防ぎたい・少しでも長く健康でいてほしい」という飼い主の想いに応える選択肢なのです。

普通のドッグフードとの5つの違い

「プレミアム」と「普通」、見た目は似ていても中身はまるで別物です。

ここでは、実際にどんな点で差があるのか、特に注目すべき5つのポイントに絞って紹介します。

① 原材料の質がまるで違う

最も顕著なのが、使われている素材の違いです。

プレミアムドッグフードの多くは、「チキン」「サーモン」「鹿肉」など、新鮮で良質な動物性たんぱく質を第一主原料にしています。

しかも「◯◯ミール」「副産物」ではなく、“生肉”や“骨抜き肉”など、人間の食材に近いレベルの原料を使用。

一方、普通のフードではコストを抑えるため、以下のようなものが多用されます。

  • 肉副産物(羽・骨・内臓などを含む)

  • 動物性脂肪(出所が不明瞭)

  • トウモロコシ・小麦など、安価な穀類での“かさ増し”

この違いは、消化吸収・便のにおい・毛並みに直結します。

② 添加物・保存料の有無

プレミアムフードは「無添加」「保存料不使用」を掲げているものが多く、自然由来の酸化防止剤(ビタミンEなど)で仕上げています。

一方、安価なフードでは、以下のような合成添加物が含まれている場合があります:

  • BHA(ブチルヒドロキシアニソール)

  • BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)

  • 合成着色料・香料

見た目をよくしたり、食いつきをよくしたりする目的で使われるものですが、長期的に与えると体への負担になる可能性も指摘されています。

③ 栄養バランスと目的設計

プレミアムフードの魅力の一つが、「目的別設計」の豊富さです。たとえば、

  • アレルギー対策(単一タンパク・グレインフリー)

  • 腎臓ケア(リンやナトリウムを調整)

  • 関節サポート(グルコサミン・コンドロイチン配合)

  • 毛並み改善(オメガ3・亜鉛強化)

普通のドッグフードは、あくまで「最低限の栄養基準を満たす」ことを目的としており、細かなケア設計はされていないケースが多いです。

④ 製造過程と品質管理の違い

プレミアムフードの多くは、HACCPやISO取得工場で製造されたり、製造過程を公式サイトで公開したりするなど、安全管理が徹底されています。

また、トレーサビリティ(原料の出所が分かる)への取り組みも進んでおり、どこの肉・魚が使われているのかが明確です。

一方、安価なフードでは、工場名や製造工程が不明なものも多く、透明性の面で不安が残るのが実情です。

⑤ 価格の差=品質の差?

「結局、値段の問題でしょ?」と思う方もいるかもしれません。

確かに、プレミアムフードは1kgあたりの価格が倍以上になることもあります。

しかしそれは、原材料・品質管理・設計力にコストがかかっているから。単に“ブランド料”ではありません。

また、健康状態が安定することで、動物病院にかかる頻度や医療費を抑えられる可能性もあります。

長い目で見ると、「プレミアム=高コスパ」という考え方もできるのです。

プレミアムドッグフードはどんな犬におすすめ?

プレミアムドッグフードは、すべての犬にとって理想的というわけではありません。

とはいえ、「食べものが体に与える影響」は確実に存在します。特に以下のような特徴を持つ犬には、プレミアムドッグフードの恩恵が大きいと考えられます。

体調に悩みがある犬(アレルギー・涙やけ・下痢など)

「毎回フードを変えているのに、下痢が続く」
「目やにが多くて、涙やけがひどい」
「かゆがっているけど原因がわからない」

こうした症状が続く場合、ドッグフードの成分が合っていない可能性があります。

特に一般的なフードに多く使われる「小麦」「トウモロコシ」「チキンミール」などがアレルゲンとなっているケースは非常に多く、これらを除いたプレミアムフードに変えることで、体調が劇的に改善することも珍しくありません

プレミアムフードでは、以下のような特性のある製品が選べます:

  • グレインフリー(穀物不使用)

  • 単一タンパク源(サーモンのみ、ラムのみなど)

  • アレルゲン対策素材(低アレルギー性)

シニア犬・成長期のパピーなど、年齢別のケアが必要な犬

年齢によって必要な栄養素は変わります。

  • パピー(成長期)には、たんぱく質・カルシウム・脂肪などの高栄養設計が必要

  • シニア犬には、内臓や関節への負担を減らすための低脂肪・高消化設計が求められます

プレミアムフードは、こうしたライフステージに応じた設計がきちんとされているのが特徴。

さらに「小粒・中粒・大粒」といった粒の大きさや「ふやけやすさ」にまで配慮された製品もあり、年齢だけでなく体格・犬種ごとの細かな調整がされているのです。

皮膚トラブルや毛ヅヤの悩みがある犬

「フケが多い」「毛がパサつく」「脱毛が気になる」といった皮膚・被毛の悩みも、栄養バランスの改善で好転することがあります。

プレミアムドッグフードには、以下のような美容・健康サポート成分が配合されていることが多く、これが毛並みのツヤや皮膚のバリア機能を保つ役割を果たします。

  • オメガ3脂肪酸(サーモンオイルなど)

  • 亜鉛・ビオチン

  • 植物性オイル(フラックスシードなど)

皮膚が敏感な子や、季節の変わり目にかゆみが出やすい子には、まずフードから見直すのが効果的です。

プレミアムと普通、どちらを選べばいい?

「いいものなのは分かったけど、うちの子には必要なの?」

「値段が高いから続けられるか不安…」

そんな悩みを抱える飼い主さんに向けて、ここでは“選ぶべき基準”を具体的に解説します。

迷ったら“原材料表示”をチェックしてみよう

まず最初に見てほしいのが、パッケージ裏の原材料欄です。

最初に書かれているものほど、含有量が多いというルールがあります。

プレミアムフードの例:
「チキン、サツマイモ、えんどう豆、サーモンオイル…」

普通のフードの例:
「とうもろこし、チキンミール、動物性油脂、小麦粉…」

このように、第一主原料が「肉」ではなく「穀物」「副産物」になっている場合は、栄養価や消化のしやすさで劣る可能性があります。

迷ったときは、「一番最初に何が書かれているか」をチェックするだけでも、大きな違いを見抜けます。

愛犬の体調・便の状態・毛ヅヤを観察して判断

フードの善し悪しは、愛犬の体調に最も正直に現れます

  • 排便の量やニオイが強くなった

  • 目やに・涙やけが出るようになった

  • 毛がパサついてきた、フケが増えた

  • 食べムラが出てきた

これらのサインが出ているなら、今のフードが合っていない可能性があります。

プレミアムフードに切り替えたことで、こうした症状が軽減されたという声は多く、試す価値は十分にあります。

いきなり切り替えず、“少量お試し”から始めてOK

「高いフードを買って、もし食べなかったらどうしよう」

「うちの子、お腹が弱いから切り替えが不安…」

そんな方には、まずは“お試しサイズ”で少量からスタートするのがおすすめ。

多くのプレミアムブランドでは、500g〜1kg程度の少量パックが用意されています。

また、切り替える際は以下のように段階的に移行するのがポイントです:

  1. 今までのフード:新しいフード = 8:2(2〜3日)

  2. 6:4 → 4:6 → 2:8(数日おき)

  3. 最終的に新しいフード100%へ

こうすることで、胃腸への負担を最小限にしながら、スムーズに移行できます。

よくある質問Q&A

最後に、プレミアムドッグフードを検討している飼い主さんから寄せられやすい疑問をまとめました。

あなたのモヤモヤが、ここでスッキリ解消されるかもしれません。

Q. プレミアムフードにすれば絶対に健康になりますか?

A. 保証はできませんが、“健康を支える土台”にはなります。
病気の予防や体質改善を保証するものではありませんが、質の良い原材料・適切な栄養バランスは、犬の自然治癒力や免疫維持にとって大きな味方です。

Q. 普通のドッグフードではだめですか?

A. 犬によっては問題ないケースもあります。
元気で体調も安定しているなら、無理に変える必要はないかもしれません。

ただし、添加物や低品質な原料の長期摂取にはリスクがあるため、飼い主としては一度見直してみる価値があります。

Q. 高いフードを続けられるか心配です…

A. 「毎日続ける」ではなく「必要な期間だけ」でもOKです。
例えば、アレルギーが出ているときだけ、腸内環境を整えたいときだけ、といった“期間限定の健康ケア”として使う方法もあります。

プレミアム=一生続ける必要はありません。

Q. 動物病院で売ってるフードと何が違うの?

A. 病院の療法食は“治療目的”、プレミアムフードは“予防・体調管理目的”です。
療法食は栄養素が細かく調整された医療的なフードで、獣医師の指導が必須です。

一方プレミアムフードは、健康な犬が日常的に食べることで、トラブルの予防や体調維持をサポートするものです。

まとめ

プレミアムドッグフードと普通のドッグフードは、見た目やパッケージだけでは分からない“中身の差”が数多く存在します。

原材料の質、添加物の有無、栄養設計、製造過程の安全性──そのどれもが、愛犬の体調や将来の健康を左右する重要な要素です。

とはいえ、「絶対にプレミアムじゃなきゃだめ」と決めつける必要はありません。

飼い主として“選ぶ視点”を持ち、愛犬にとって本当に合ったフードを見極めることが何より大切です。

まずは少量から試して、食いつきや体調の変化をよく観察してみてください。

きっと、あなたの大切なパートナーが何を必要としているのか、少しずつ見えてくるはずです。

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