犬との生活をスタートする際に最も重要なことは「しつけ」です。
しかし、どのタイミングで何を教えればよいのか、悩む飼い主も少なくありません。特に、しつけはただ教えるだけでなく、正しい「順番」を守ることで、その効果が何倍にもなります。
このページでは、犬のしつけを成功させるための順番ごとの解説を行い、失敗を防ぐポイントなどを詳しくご紹介します。ぜひ、愛犬とのより良い関係構築に役立ててください。
【これで失敗しない】犬のしつけの順番
犬のしつけは、順序立てて行うことで効率よく進められます。
適切な順番を守ることで、犬に無理をさせることなく、スムーズに教えられますよ。
以下が、犬のしつけに失敗しない順番です。
STEP1:信頼関係の構築
STEP2:犬に自分の名前を覚えさせる
STEP3:目を見ることに慣れさせる(アイコンタクト)
STEP4:トイレのしつけ
STEP5:ボディーコントロール
STEP6:1人でいても問題無いようにしつける(留守番)
STEP7:社会性を身につける&散歩
STEP8:おすわりなどのしつけ(コマンド)
STEP9:噛み癖のしつけ
STEP10:無駄吠えのしつけ
それでは、詳しく見ていきましょう。
STEP1:信頼関係の構築
犬との信頼関係は、今後のしつけの基盤です。
これがなければ、犬は飼い主の指示を聞き入れることが難しくなります。
信頼関係を築くには、まず犬に安心感を与えましょう。たとえば、決まった時間に散歩や食事をする、犬がリラックスできる環境を整えるなどが効果的です。
また、声のトーンや表情を穏やかに保つことで、犬は「この人は安心できる存在だ」、「リーダーとしてふさわしい」と感じます。
信頼関係の構築は何より大事!
ここは時間をかけてもしっかりと信頼関係を構築できるように頑張りましょう!
STEP:2犬に自分の名前を覚えさせる
名前を覚えさせることは、犬とのコミュニケーションの第一歩です。
名前を呼んだときに振り向くようにするには、おやつや褒める言葉を積極的に活用しましょう。
いざというときに名前を呼んだのに来ないのは危険です。
災害時のこと、急に逃げ出したときに備えてしっかり名前を覚えさせましょう。
STEP3:目を見ることに慣れさせる(アイコンタクト)
アイコンタクトは、しつけの中でも特に重要な要素です。
犬が飼い主の目を見ることで、指示を理解しやすくなります。練習方法としては、目を合わせた瞬間に「グッド!」などの声掛けとともにおやつを与えると効果的です。
アイコンタクトは犬と飼い主の信頼関係があってこそ。
STEP1の信頼関係の構築をしっかりしておきましょう!
STEP4:トイレのしつけ
トイレトレーニングは犬との生活で避けて通れない課題です。
成功の鍵は、失敗を叱らず成功を褒めること。一貫性を保ち、決まった場所でトイレをする習慣を根気強く教えましょう。
トイレトレーニングが終われば、一緒に寝るのも夢じゃありません!
しっかり覚えてくれば、毎日のお世話もちょっと楽になります。
STEP5:ボディーコントロール
病院やトリミングなどで体を触られることに慣れさせるのが「ボディーコントロール」です。耳や足先、口の周りなど、敏感な部位にも少しずつ触れる練習を行いましょう。
これができないとスキンシップも難しく、診断時やトリミング時に大変な思いをします。
STEP6:1人でいても問題ないようにしつける(留守番)
留守番の練習は、短い時間から始めることが大切です。
例えば、家を出る前に「行ってきます」と声を掛け、帰宅後は大げさに反応しないようにしましょう。犬が冷静に過ごせる環境を整えることが重要です。
留守番でできないと気軽におでかけもできません。
自立心を鍛えるためにも、留守番のトレーニングは非常に大事です。
STEP7:社会性を身につける&散歩
社会性を身に着けることは、他の犬や人間と調和して暮らすために欠かせません。
散歩を通じて、さまざまな環境に慣らしましょう。
社会性がないと、ドッグランに遊びに行ったり、旅行にも行けません。
社会性を身につけることで他のワンちゃんとのトラブルも回避できます。
STEP8:おすわりなどのしつけ(コマンド)
「おすわり」や「待て」などの基本コマンドは、生活をスムーズにするための基礎です。
短い時間で楽しみながら教えることを心がけましょう。
自分の指示でしっかり動くと感動します!
STEP9:噛み癖のしつけ
噛み癖は、早期に対処することで改善が期待できます。
噛んで良いおもちゃを与えつつ、手や家具を噛んだ場合は「ダメ」と短く伝えます。
噛み癖が治らないとケガもしますし、家具もボロボロに。。。
STEP10:無駄吠えのしつけ
無駄吠えを防ぐには、吠える原因を突き止めることが大切です。
特定の音や状況で吠える場合、それに慣れる練習を繰り返しましょう。
無駄吠えは近所トラブルになることもあるので、しっかりしつけをしましょう!
犬のしつけは何歳から?
犬のしつけは「早ければ早いほど良い」と言われていますが、具体的にはどのタイミングで始めるのがベストなのでしょうか。
ここでは、子犬、成犬それぞれの段階に分けて、しつけを始める最適なタイミングとその方法を詳しく解説します。
子犬の場合:生後2~3か月がベスト
子犬のしつけは、生後2~3か月頃から始めるのが理想的です。
この時期は「社会化期」と呼ばれ、犬が新しい環境や人、他の動物に対する適応力を高める重要な時期です。この期間に良い体験をたくさん与えることで、将来的な問題行動を防ぐことができます。
しつけの具体例
名前を覚えさせる | 名前を呼んで反応したらおやつを与えるなど、ポジティブな方法で覚えさせましょう。 |
トイレトレーニング | 子犬は排泄回数が多いので、食事や睡眠の後すぐにトイレの場所に連れて行く習慣をつけます。 |
社会性の形成 | さまざまな人や犬と触れ合い、散歩を通じて外の世界に慣れさせることが重要です。ただし、ワクチン接種が完了する前の外出は控え、室内で他の犬や家族と触れ合う時間を作りましょう。 |
この時期の子犬は集中力が短いため、トレーニング時間は1回5分程度に留めるのがポイントです。
また、失敗しても叱らず、成功したときにしっかり褒めるポジティブなアプローチを心がけましょう。
成犬の場合:何歳からでも始められる
成犬になった犬でも、しつけを始めるのに遅すぎるということはありません。
たとえ子犬期にしつけが十分にできていなかった場合でも、正しい方法と根気があれば、成犬でもしつけは可能です。
成犬のしつけ方法
信頼関係の構築を重視 | 成犬は子犬よりも警戒心が強い傾向があるため、まずは安心感を与え、飼い主との信頼関係を深めることが優先です。 |
徐々に慣らすトレーニング | 成犬は新しい環境やルールに慣れるのに時間がかかることがあります。無理に急がず、一つずつ丁寧に教えましょう。 |
おやつや褒める言葉の活用 | 子犬と同様に、ポジティブなフィードバックを中心にした方法で行います。成功した行動を大げさに褒めることで、自信を持たせることができます。 |
成犬の場合、既に身についている行動習慣を修正する必要があることが多いです。
例えば、噛み癖や無駄吠え、留守番が苦手といった行動が見られることがあります。しかし、これらも適切な順序で進めることで改善が期待できます。
高齢犬の場合:シニア期のしつけについて
シニア犬(高齢犬)になってからも、しつけや新しい習慣を教えることは可能です。
たとえば、高齢になり体力が落ちてきた犬に無駄吠えを減らしたり、新しい生活環境に慣れさせるしつけが必要になることがあります。
高齢犬のしつけでの注意点
体力に配慮する | 高齢犬は若い犬に比べて体力が低下しているため、短い時間で無理のないトレーニングを行います。 |
認知症予防を意識 | 新しいことを学ぶトレーニングは、犬の認知機能を刺激し、老化防止にもつながります。 |
飼い主の声掛けや触れ合いを増やす | 高齢になると視覚や聴覚が衰えることがあります。飼い主の存在をしっかり感じられるよう、コミュニケーションを密に取りましょう。 |
失敗しないために!犬のしつけの注意点
犬のしつけは、愛犬との信頼関係を築く重要なステップです。
しかし、しつけの方法を間違えると、逆に犬が混乱したり、ストレスを感じたりすることがあります。ここでは、しつけを成功させるために注意すべきポイントを詳しく解説します。
失敗を防ぐために、飼い主が意識すべき心構えも一緒に見ていきましょう。
以下が、犬のしつけに失敗しないための心構えです。
- 一貫性を保つ
- ポジティブなアプローチを心がける
- 短い時間で楽しく進める
- 犬のペースに合わせる
- 犬の気持ちを理解する
- 失敗を受け入れる
- 環境を整える
- 家族全員で取り組む
①一貫性を保つ
犬は一貫性のない指示やルールに混乱します。
例えば、家族の誰かが「ソファに上がってもいい」と許可し、別の家族が禁止すると、犬はどちらのルールを守ればいいのか分からなくなります。
①家族でルールを統一する
⇒家族全員で「何を許可し、何を禁止するのか」を事前に話し合い、統一することが重要です。
②同じ言葉とジェスチャーを使う
⇒指示する際には、言葉やジェスチャーを統一しましょう。「おすわり」「座れ」など、異なる表現を使わないようにします。
③ルールを守り続ける
⇒一度許した行動を後で禁止するのは避けましょう。一貫した態度を貫くことで、犬は安心して学ぶことができます。
②ポジティブなアプローチを心がける
しつけの基本は、犬が正しい行動をしたときに褒めて伸ばす「ポジティブトレーニング」です。
叱ることよりも褒めることを優先することで、犬は学ぶことを楽しめるようになります。
①成功したときに即座に褒める
⇒おやつやおもちゃを使って、正しい行動をした瞬間に報酬を与えましょう。「タイミング」が成功の鍵です。
②叱りすぎない
⇒犬を叱ることでストレスを与えると、信頼関係が損なわれる可能性があります。失敗しても冷静に対応し、次回成功するための環境を整えることが大切です。
③短い時間で楽しく進める
犬の集中力には限りがあります。
特に子犬は注意が散漫になりやすいため、しつけのセッションを短くし、楽しい経験として記憶させることが効果的です。
①1回のトレーニングは5~10分以内
⇒短い時間で終わらせることで、犬のストレスを軽減できます。
②トレーニングを遊びに組み込む
⇒しつけと遊びを組み合わせることで、犬が楽しみながら学ぶことができます。例えば、「おすわり」をゲームの一部として教えるのも良い方法です。
④犬のペースに合わせる
犬の性格や成長速度には個体差があります。
焦らずに犬のペースに合わせて進めることで、しつけがより効果的になります。
①無理をさせない
⇒犬が理解するのに時間がかかる場合は、一つのステップをじっくり教えましょう。次のステップに進むのは、犬が現段階を完全に理解してからです。
②犬の様子を観察する
⇒トレーニング中に犬が疲れたり集中力を失ったりした場合は、すぐに切り上げて休憩を取ります。
⑤犬の気持ちを理解する
犬は言葉を話せませんが、表情や仕草で感情を伝えています。
しつけを成功させるためには、犬の気持ちを理解し、それに寄り添うことが大切です。
①ボディーランゲージをくみ取る
⇒しっぽの動き、耳の位置、目の表情などから犬の感情を読み取ります。例えば、しっぽを振っていても耳を後ろに引いていれば、不安を感じている可能性があります。
②犬からのサインを無視しない
犬がしつけに対して拒否反応を示した場合、その原因を探り、環境や方法を見直しましょう。
⑥失敗を受け入れる
しつけは成功の連続ではありません。
失敗も成長の一部と考え、失敗を叱るのではなく、次の成功のためのステップに繋げましょう。
①冷静に対処する
⇒失敗しても声を荒らげたり叱ったりせず、次回の成功のために条件を整えます。
②原因を分析する
⇒なぜ失敗したのかを考え、環境や方法を調整します。例えば、集中力が切れていた場合はトレーニング時間を短縮するなどの対策を行いましょう。
⑦環境を整える
しつけは犬が集中しやすい環境で行うことが重要です。
騒がしい場所や、他の動物がいる環境では犬の注意が散りやすくなります。
・静かで落ち着ける場所を選ぶ
・お気に入りのおもちゃやおやつを準備する
・トレーニングスペースに危険な物がないことを確認する
⑧家族全員で取り組む
しつけは飼い主一人だけで行うものではありません。
家族全員で協力して行うことで、犬にとってルールが分かりやすくなります。
①役割を分担する
⇒誰がどのしつけを担当するかを事前に決めておきます。
②定期的に話し合う
⇒犬の進捗状況や問題点を家族で共有し、一貫性を保ちます。
これから犬のしつけを始める方へ
しつけは、愛犬との信頼関係を深める素晴らしいコミュニケーションです。
最初は思うようにいかないこともあるかもしれませんが、焦らず一歩ずつ進めていきましょう。大切なのは、愛犬の気持ちに寄り添い、成功を一緒に喜ぶことです。
失敗しても、それは学びのチャンス!
あなたの優しさと根気が、愛犬に安心と自信を与え、どんな小さな成功も積み重ねれば大きな成果に繋がります。一緒に楽しい時間を重ね、愛犬と最高のパートナーシップを築いていってくださいね。