
夏休みやお盆のシーズン、「せっかくだから、うちの子(犬)も一緒に旅行したい!」と考える飼い主さんが増えています。
実際、ペットと泊まれる宿や、犬と楽しめる観光地も年々増加しており、犬連れ旅行は以前よりずっと身近なものになっています。
しかし、夏の旅行は気温や移動の負担など、犬にとっては意外とハードルが高いもの。しっかりと準備や下調べをしておかないと、せっかくの楽しい旅行が「犬にとってはストレスだらけだった…」なんてことにもなりかねません。
このページでは、犬と夏に旅行する魅力から、おすすめの避暑地・宿の選び方・暑さ対策・持ち物リストまで、飼い主さんが安心して計画を立てられるように徹底解説します。
はじめて犬と一緒に旅行に出かける方も、すでに何度か旅をしている方も、この記事を参考にすれば、愛犬との夏の思い出がもっと素敵なものになるはずです。
犬と夏に旅行する魅力とは?
犬と夏に旅行するのは、家族の思い出にもなり最高な時間です。
まずは、犬と夏に旅行する魅力を紹介するので、ぜひ今年の夏は愛犬と夏の旅行に出かけてみてください。
犬と過ごす「非日常」の楽しさ
普段は家の近所の散歩や決まった公園ばかり、という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そんな日常から少し離れ、自然豊かな場所や海辺、高原など非日常の空間で犬と一緒に過ごすことは、犬にとっても新鮮な刺激となります。
たとえば、広々とした草原をリードなしで走れるドッグラン、初めて見る川や山の風景。普段は見せないような興奮した表情や、遊び疲れて眠る姿など、旅先ならではの愛犬の一面に出会えることも。
飼い主としても、その「はじめて」に立ち会う喜びはひとしおです。
また、旅行中は時間に縛られず、犬と向き合う時間が自然と増えるため、絆を深めるチャンスにもなります。
飼い主のリフレッシュ効果
犬との旅行は「犬のため」のものと思われがちですが、実は飼い主にとっても多くのメリットがあります。なかでも注目したいのが、日常のストレスから解放されるリフレッシュ効果です。
ペット可の温泉宿でゆったり過ごしたり、自然の中で一緒に朝の散歩を楽しんだり、愛犬が楽しそうにしている姿を見るだけでも、心が穏やかになるという声は少なくありません。
「愛犬と一緒に過ごせる安心感が、旅先での癒しをさらに深めてくれた」という口コミも多く見られます。
また、ペット連れで訪れることで、他の飼い主さんと自然と会話が生まれるなど、旅先ならではのコミュニケーションもリフレッシュの一因になります。
旅行で犬との信頼関係も深まる
初めての場所、人、音や匂い。旅行は犬にとって小さな冒険の連続です。
そんなとき、頼りにするのは飼い主だけ。旅行中のちょっとした出来事の積み重ねが、犬との信頼関係を深める大きなきっかけになります。
たとえば、旅先のレストランでの落ち着いた行動や、見知らぬ環境で不安そうにしながらも、飼い主の声かけに安心して寄り添う姿。
これらの瞬間には、普段の生活では得られない「相手を信頼する心」が育っていくのです。
特に、褒める・安心させる・共に楽しむという体験を通じて、犬にとって「飼い主は信頼できる存在」だという認識が強まります。
これは、日常生活にもポジティブな影響をもたらすのです。
夏の犬連れ旅行で気をつけたい3つのポイント
夏は行楽シーズンでありながら、犬にとっては最も体調を崩しやすい季節でもあります。
楽しい旅行を安全に過ごすためには、事前の準備と注意が欠かせません。
ここでは、夏の犬連れ旅行で特に気をつけたい3つのポイントを紹介します。
①熱中症・肉球のやけどに注意
夏の旅行で最も警戒すべきなのが、犬の熱中症です。
人間よりも体温調整が苦手な犬は、気温が30℃を超える日には体調を崩しやすく、特に短頭種(フレンチブルドッグやパグなど)はリスクが高まります。
また、意外と見落とされがちなのがアスファルトの熱。
日中の地面は50℃を超えることもあり、肉球をやけどしてしまう危険があります。散歩は朝早くか夕方以降にし、道が熱いときは靴を履かせる、抱っこするなどの配慮が必要です。
移動中や屋外では、冷却マットや保冷剤入りのスカーフを活用し、こまめな水分補給と日陰での休憩を心がけましょう。
長時間の車移動や電車移動は計画的に
車や電車などでの移動は、犬にとって慣れない環境です。
特に夏場の車内は熱がこもりやすく、エアコンが切れた瞬間から急激に温度が上がるため、短時間の休憩中でさえ油断できません。
長距離移動をする場合は、1〜2時間おきに休憩を取り、犬に水を飲ませたり軽く歩かせたりしてリフレッシュさせましょう。
また、交通機関によってはペット同伴のルールが細かく決められていることもあるため、事前の確認が大切です。
公共交通機関を利用する場合は、キャリーケースの通気性や大きさも快適性に直結します。
犬が立ったり寝そべったりできるスペースを確保してあげてください。
現地の気温や湿度のリサーチは必須
旅行先を選ぶときには、「涼しそうだから」といったイメージだけで決めるのは危険です。
実際の最高気温や湿度、天気の傾向をリサーチし、その土地が犬にとって過ごしやすい環境かを確認することが重要です。
また、現地での予定を詰め込みすぎると、犬が疲れてしまうこともあります。
気温が高い日中は室内ドッグカフェや宿で休憩し、朝夕に散歩や観光を入れるなど、犬の体調を第一に考えたスケジュールが理想です。
天候の変化に備えて、雨の日プランや屋内施設の候補も事前に調べておくと安心です。
犬と行くおすすめ避暑地5選
夏でも比較的涼しく、自然に囲まれた避暑地は、犬との旅行にぴったりの場所です。
ここでは、2025年の最新情報を元に、犬と快適に過ごせる日本国内のおすすめ避暑地を5つ厳選してご紹介します。
①那須高原(栃木県)
東京からのアクセスも良く、自然と温泉が豊富な那須高原。標高が高く夏でも涼しい気候で、犬にとっても過ごしやすい環境です。
犬同伴OKのカフェやレストランが多く、ドッグラン併設の宿泊施設も充実しています。
「那須どうぶつ王国」など、ペットと一緒に入れるテーマパークもあり、1日中楽しめるスポットです。
②軽井沢(長野県)
避暑地の王道といえば軽井沢。おしゃれな街並みと洗練された施設が揃っており、犬連れにもやさしいエリアです。
夏場は平均気温が20℃前後と涼しく、朝夕の散歩も快適にできます。
「軽井沢プリンスショッピングプラザ」では、リード着用で入店できる店舗も多く、ペット同伴用の施設も充実しています。
ペットと泊まれる高級リゾートホテルも選択肢が豊富です。
③八ヶ岳・清里(山梨県)
南アルプスの美しい山並みに囲まれた八ヶ岳エリアは、自然と触れ合える施設が多く、犬とのアクティビティにも最適です。
標高1,000mを超える場所も多く、避暑地としても人気があります。
「萌木の村」や「清泉寮」など、犬と一緒に入れる施設や散歩道が整備されており、都市部では味わえない大自然を愛犬と満喫できます。
④白馬(長野県)
冬はスキーリゾートとして知られる白馬ですが、夏は避暑地としても魅力満載。北アルプスの壮大な景色の中で、犬とのトレッキングやリバーウォークが楽しめます。
「白馬47マウンテンスポーツパーク」など、犬同伴可能なアウトドア施設もあり、アクティブな旅を望む飼い主さんにぴったりです。
⑤ニセコ(北海道)
北海道の中でも特に人気の避暑地であるニセコは、夏でも爽やかな気候と雄大な自然が魅力。
犬とのびのび過ごすには理想的な環境です。
宿泊施設の多くがペット歓迎で、牧場体験やラフティングなど、犬連れで楽しめるアクティビティも年々増えています。飛行機を使った移動にはなりますが、長期滞在を検討する価値のあるエリアです。
宿選びで失敗しない!犬と泊まれる宿の選び方
旅行の満足度を大きく左右するのが「宿選び」です。
特に犬連れの場合、設備やサービスによって過ごしやすさが大きく変わってきます。
ここでは、宿泊先選びで失敗しないためにチェックしておきたいポイントを3つご紹介します。
ペット同伴可と「ペット歓迎」は違う
宿泊施設によっては「ペット同伴可」と表示されていても、実際には部屋に入れるだけで、施設内の共有スペースには立ち入り禁止だったり、細かい制限が多い場合があります。
一方、「ペット歓迎」を掲げている宿は、犬の受け入れに慣れており、館内の移動が自由だったり、犬用の備品やサービスが充実している傾向にあります。
公式サイトや口コミを確認して、「本当に犬が快適に過ごせるか」を見極めましょう。
アメニティの有無、ドッグラン併設は要チェック
快適な滞在のためには、犬用アメニティの充実度も大切です。
ケージ・トイレシート・フードボウル・おやつなどが揃っているかを事前に確認しておくと、荷物を減らすことができます。
また、敷地内にドッグランや散歩コースがある宿は、ちょっとした空き時間に犬を運動させるのに最適。
宿に戻った後でも犬を自由に走らせられる環境が整っていれば、ストレスも少なく済みます。
口コミや体験談の活用方法
初めて泊まる宿に不安はつきものですが、過去に宿泊した犬連れの旅行者の口コミはとても参考になります。
特に「犬が落ち着いて過ごせた」「スタッフが犬に優しかった」といったレビューは安心材料です。
一方で、「犬に対する配慮が足りなかった」「音に敏感な犬には向かない」など、ネガティブな情報もチェックすることで、愛犬に合うかどうかを冷静に判断できます。
SNSで「#犬連れ旅行」などのハッシュタグを検索して、実際の写真や動画を見るのもおすすめです。文字情報だけではわからないリアルな雰囲気を把握できます。
夏の旅行で犬が快適に過ごすための持ち物リスト
犬との旅行では、人間の準備以上に気を使うべきなのが「持ち物」です。
特に夏は、暑さ対策や体調管理の観点からも忘れ物があると大きなストレスになります。
ここでは、夏の犬連れ旅行に必要な持ち物を3つのカテゴリに分けてご紹介します。
必需品(フード、リード、排泄用品など)
旅行中も普段の生活リズムを保つために、いつも使っているフードやおやつは必ず持参しましょう。
食べ慣れていないものを与えると、下痢など体調を崩す原因になることがあります。
その他の必需品としては以下のようなものが挙げられます:
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普段使っているリード・ハーネス
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排泄用品(トイレシート、うんち袋、マナーベルト)
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ワクチン証明書や狂犬病接種証明書(宿で提示を求められることがあります)
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食器(フード&水用)と携帯できる水入れ
日常生活の「これがないと困る」という物は、忘れずリスト化しておくと安心です。
暑さ対策グッズ(クールマット、冷却スカーフなど)
夏の犬連れ旅行では、暑さ対策のアイテムが非常に重要です。
熱中症を防ぐためにも、以下のようなグッズを携帯しましょう:
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クールマットや冷却ジェルパッド(宿泊先や移動中の休憩に活躍)
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保冷剤を入れられる冷却ベストやスカーフ
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冷たい水を入れたスプレーボトル(体を軽く濡らしてあげると体温が下がりやすくなります)
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日除け付きのカート(高齢犬や長距離の散策におすすめ)
これらはすぐに使えるように、バッグに手早く取り出せる形で入れておくと便利です。
旅先で役立つ便利アイテム
快適さだけでなく、「もしも」に備えたアイテムも持っておくと安心です。
特に初めての場所では犬が不安になりやすいため、自宅の匂いがついたブランケットやおもちゃも効果的です。
そのほかおすすめの便利アイテム:
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折りたたみ式ケージまたはソフトクレート(移動中や宿での安心スペースに)
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虫除けスプレー(犬用)やノミ・ダニ対策グッズ
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常備薬や動物病院の連絡先をメモしたカード
荷物が増えてしまうのが犬連れ旅行の悩みどころですが、「なくて困る」より「使わなくても安心」の気持ちで、しっかり準備しておきましょう。
旅行中の過ごし方のコツ|犬と人のストレスを減らす方法
旅行は楽しい反面、環境の変化によって犬が不安やストレスを感じやすくなるものです。
せっかくの旅を愛犬と快適に過ごすために、旅行中に意識したいポイントを3つに分けてご紹介します。
スケジュールに「ゆとり」を持たせる
観光やアクティビティをたくさん詰め込みたくなるのが旅行の常ですが、犬にとってはいつもと違う環境にいるだけでも大きな刺激になります。
そのため、移動や観光の合間に十分な休憩時間を設けることが大切です。
特に夏場は暑さによる疲労も早く、無理をさせると体調を崩す原因に。
朝夕の涼しい時間にアクティブに動き、日中は宿でのんびり過ごすなど、「犬目線」のスケジュールを心がけましょう。
犬の様子を常にチェックする
旅行中は「いつもより元気がない」「ごはんを食べない」「やたら吠える」といった変化が起こることも珍しくありません。
そんなときは無理に行動を続けず、犬の様子を観察して柔軟に予定を変える勇気も必要です。
特に注意したいのが以下のようなサインです:
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ハァハァと過度なパンティングが続く(熱中症の前兆かも)
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地面を舐める、吠え続ける(ストレスサイン)
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眠ってばかりいる、反応が鈍い(疲労や体調不良の可能性)
異変を感じたら、早めに休ませたり、必要に応じて近くの動物病院に相談することも考えましょう。
宿泊先でのマナー・しつけも大切に
他の宿泊客もいる宿では、犬のマナーやしつけの基本が問われる場面も多くなります。
例えば、無駄吠えを防ぐ工夫や、トイレのしつけの確認は事前に行っておくと安心です。
また、以下のような点も旅行前に確認しておくとトラブルを避けられます:
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ケージで落ち着いて待機できるか
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他の犬や人に対して吠えない・飛びつかない
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食事中はテーブルに近づかない練習
旅行を通じて犬が成長する機会にもなるので、楽しさだけでなく「学びの場」としての視点を持つことも大切です。
体験談:我が家の犬と行った夏の旅行
ここでは、実際に私たち家族が愛犬「そら(トイプードル・3歳)」と行った夏の旅行体験をご紹介します。
初めての長距離移動&宿泊で不安もありましたが、準備と心がけ次第でとても素敵な思い出になりました。
実際に訪れたスポットと感想
目的地に選んだのは、長野県の軽井沢。
夏でも涼しく、犬連れにやさしいと評判の観光地です。
東京から車で約3時間のドライブでしたが、1時間ごとに休憩を入れたことで、そらもぐずることなく快適に過ごしてくれました。
到着後は、ペット同伴OKのカフェでランチ。
テラス席には犬用のウォーターボウルが用意されていて、そらもご機嫌。午後には「軽井沢タリアセン」で自然の中を散策。
緑が多く、涼しい風も吹いていて、真夏とは思えないほど快適でした。
よかった点・失敗した点
よかった点は、「そらの笑顔がいつも以上に多かった」こと。
普段は街中の散歩ばかりだったので、広い芝生を走る姿や、はじめて川の水に足をつけてはしゃぐ様子を見られて、私たちも癒されました。
一方での反省点は、「持ち物の準備不足」。
虫除けスプレーを忘れてしまい、夜の散歩でそらが何度も蚊に刺されてしまいました。
また、いつも使っているブランケットを持って行かなかったため、宿で少し落ち着かない様子も見られました。
次回の旅行で気をつけたいこと
この経験を通じて、「犬のための旅」は細かな気配りが何より大切だと感じました。
次回はもっと犬目線で予定を組み、持ち物チェックリストも事前に作成して抜けがないようにしたいと思います。
また、季節や気候だけでなく、犬の年齢や体力に応じた場所選びも意識していきたいです。
そらにとっても「旅行=楽しいもの」と思ってもらえるような工夫を、これからも重ねていきたいと思います。
まとめ|夏の犬連れ旅行は準備と工夫で快適に!
夏の犬連れ旅行は、日常から離れて愛犬と特別な時間を過ごせる貴重な機会です。避暑地の涼しい空気の中で走り回る姿や、知らない場所を一緒に探検するワクワク感は、きっと一生の思い出になるはずです。
一方で、夏は犬にとって体調を崩しやすい季節でもあるため、気温や移動時間、宿の設備、持ち物、当日のスケジュールなど、細やかな配慮が求められます。
このページでご紹介したような準備や工夫をしっかり行うことで、犬にも飼い主にも優しい快適な旅が実現できます。
「犬が楽しそうにしている姿を見るだけで、来てよかったと思える」。そんな風に感じられる旅行に、ぜひあなたもチャレンジしてみてくださいね。
そして何より大切なのは、「無理をせず、愛犬のペースに合わせて楽しむこと」。それが、飼い主にとっても心からリフレッシュできる旅行になる最大の秘訣です。